「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」(建築基準法 第一条)
建築基準法の冒頭にある通り、建築物は、「国民の生命、健康及び財産」に大きな影響を与えうるものです。そこで、建築物の建設や工事には、建築基準法をはじめとしたさまざまな法令等の制約を受けます。
今回は、建築に関連する、その中でも特に建築コストに関わりの深い法規にはどんなものがあるのかを、簡単に説明したいと思います。様々な法規がありますが、大別すると、以下の3つに整理することができます。
地震に対する安全性
日本はよく言われるように地震大国であり、地震の安全性に関しては、非常に厳しく規定がなされています。また、大地震が起こるたびに、改正が行われ変化してきています。この分野は、主に構造に関するものが多くを占めており、その他には仕上や設備に関するものが見られます。建築基準法をはじめ、住宅品質確保法、長期優良住宅法などによって、耐震性が規定されています。
火災に対する安全性
火災は、地震に比べるとその発生頻度は高く、被害も、非常に大きいものとなります。特に建物が大型化もしくは大空間化してきているため、火災予防とともに安全な非難に対する対策の重要性が高まってきています。この分野では、構造・仕上・設備とも多くの規定があり、消防法によっても多くの設備についての設置が義務付けられています。
環境に関するもの
地域もしくは街区の環境に関するものとして、建築基準法の集団規定と呼ばれる各規程があります。また、都市計画法、都市再開発法などによって、大規模敷地の有効活用を図るなど、都市および周辺環境の安全性や環境向上が規定されています。
また、建物自体を仕様する際の、居住性や安全性などの環境面での規定があります。こちらは、建築基準法の単体規定と呼ばれる規定の一部が該当します。
その他、地球環境に関する規定もあります。地球温暖化対策をはじめとした環境配慮についての規定です。