施工段階では、一般的に施工者任せ・監理者任せでよいと考える発注者もいますが、設計者・監理者の協力を得ながら、発注者は下記に挙げたコスト管理に注意を払う必要があります。
④施工
特に、(3)の設計変更では注意を要します。工事は、当初の計画通り(実施設計図書通り)に進むことはほとんどありません。地中に障害物があり、土工事の施工計画が変わってしまったり、施工者からの提案や発注者の要望によって、内外装をはじめとした仕様などが変更されることが起こり得ます。その場合、多くは金額が変わる、つまり契約変更がなされることとなります。この契約変更のことを、設計変更と呼びます。設計変更の際に、施工者から見積書が提示されますが、往々にして、その見積金額は高くなりがちです。建物の発注段階とは異なり、競争原理が働かないのがその主な理由です。
以下に施工段階における発注者が担うべき業務について挙げます。
設計変更以外にも、出来高によって工事費を払う際に、過払いとならぬよう、工事の進捗状況を適切に見極める必要があります。
- 工事費総額についての予算管理
- 工事の出来高に関する工事費支払審査
- 設計変更などに関する工事費支払の妥当性の審査
- 工事費最終精算