事例#03

建築コストのプロならではのアドバイスに助けられました

宿泊施設建設への提案実績
用途
特別養護老人ホーム
規模(延べ面積)
3,200㎡
構法
木構造
予算(工事費)
6億円
発注方式
一般競争入札
落札者
地場ゼネコン

お客様からの実際のご感想

私たちは、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などを関西一円で運営する、社会福祉法人です。
この度、兵庫県内に特別養護老人ホームを新規設立したのですが、その際に、Kasugaiを運営するエステム建築事務所さんに施工者をご紹介いただきました。

事業の企画段階で、今回は予算が非常に厳しかったことから、工事費を抑えられるであろう木造でプロジェクトを進めることに決定、かねてからお付き合いのあった施工者に紹介された設計事務所に、その方針で設計業務を依頼していました。

基本設計が終了した段階で、設計事務所を紹介してくれた施工者に入札参加を要請しましたが、スケジュールを理由に辞退されました。そこで、思い当たる他の施工者に連絡をとってみたものの、大規模かつ木造の物件の経験がない、などといった理由ですべて辞退されてしまい、途方に暮れていたタイミングで、エステム建築事務所さんに出会いました。

エステムさんは、施工者を紹介いただく前に、丁寧に、今回の事業計画についてヒアリングされました。その上で、設計内容から考えると、工事費の予算があまりに低いことを指摘されました。実際、その後に、木造非住宅の経験が豊富な複数の施工者にあたっていただいた際に、坪単価が、私たちの目論見の倍以上するということも、知りました。

特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への提案実績

これらを受けて、エステムさんからは、「仕様や工法を変えるなどといった設計内容の変更程度では到底、この差が埋められない」「事業計画の見直しも必要になるかもしれない」と言われました。さすがに、自治体や金融機関とすでに話を進めていて、もう後戻りが難しい段階になっていたため、事業計画の大幅修正は受け入れがたいとお話ししたところ、実施設計の内容に、施工者の意見を大幅に取り入れることを提案いただきました。今回の基本設計では、2×4(ツーバイフォー)工法で設計が進められていましたが、木造非住宅の施工経験がある施工者でも、在来工法しか対応ができない会社が多いのもネックだということもおっしゃりました。

結局、エステムさんからお引き合わせいただいた地元の施工者からの要望により、在来工法に変更、そのほかの細かい仕様等も、施工者の要望を取り入れながら実施設計が進行し、入札公告の日を迎えることができました。そして、その施工者が無事に落札してくれて、胸をなでおろしたことを今でもよく覚えています。

また、エステムさんからは、設計事務所のコスト管理があまりにずさんであったことを指摘されました。「発注者の言われるままに絵を描くのが設計者の仕事ではない、事業を実現できるよう、設計が絵に描いた餅にならぬよう、設計初期段階から工事費の計画を立て、それを設計の進捗に合わせて統制していくことも、設計者に課せられた重要な仕事である」、ということを言われました。設計者のご紹介についても、エステムさんにお願いできればよかったと、今では反省しています。

特別養護老人ホームは、公共性の高いサービスであるため、入札にて施工者を選定しなければなりません。したがって今回は、発注者様と施工者様の仲介ではなく、双方へのコンサルティングという形式で、サービスをご提供致しました。尚、この場合でも発注者様には費用面のご負担は一切ございません。

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