建築お役立ち情報

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2019年09月05日

工事発注段階において、発注者が担う業務について

ここまで、建築生産における①企画と②設計(基本計画、基本設計、実施設計)の内容と留意すべき点について整理してきました。

今回は、③発注についてお話します。

③発注

発注段階(ここでいう発注は、工事の発注です)の業務としては、工事内容に適した施工者の選定、適切な契約条件の決定、工事請負契約にかかわる技術的事項の検討などが挙げられます。実務面においては、発注者は以下を行うことになります(多くは設計者と協力して進めます)。

⑴ 発注戦略策定

コスト、工期、品質など、プロジェクトの状況およびニーズを踏まえ、工事発注の時期(設計完了以前もしくは完了後)、工事発注区分(建築・設備一括発注、分離発注等)、選定方法(総合評価、特命、見積もり合わせ、随意契約、一般競争入札)などについて検討します。また、設計業務を含め、施工者へ発注する設計・施工一貫方式によるゼネコンへの一括発注もよく見られます。設計・施工の分離発注、もしくは一括発注には、それぞれメリット・デメリット双方があるため、状況に応じて使い分ける必要があります。

⑵ 施工者選定

設計内容、予算、工期などの発注者の要求条件、市場動向、地域性等を考慮し、工事に最適な施工者を選定します。どうしても大手ゼネコンに発注したいと考える発注者もいますが、用途・規模・地域その他条件によって、ゼネコン間ですみわけがなされているのが実情です。また、ゼネコンはゼネコンで発注者に対して与信管理を行っており、発注者が当初望むような企業に発注ができないということがよく起こります。

⑶ 契約条件策定

工事請負契約書の作成および締結に関連する業務です。民間工事では、標準的な工事請負契約書のひな型が流通しており(民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款 など)、これらをベースに作成・締結されることもよくあります。いずれにしても、発注者としても、ゼネコン任せにせず、主体的に契約内容を精査する姿勢が必要です。

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